事業開発
会社の屋上にサウナ!?
地下鉄谷町九丁目駅から歩いてすぐのところにある当社オフィス「アド近鉄本社ビル」。エレベーターで9階に上がり、会議室を横手に屋上へ向かった先にそれがあります。一面に敷き詰められた芝生とテントサウナが目を引く「大阪展望貸切空間 ウエマチルーフ」。サウナブームが盛り上がりを見せる中で、2022年夏、大阪の地に当社新規事業の一環でレンタル施設として開業しました。
売りは最高150℃まで調整可能なテントサウナと大阪を一望できる外気浴です。薪のサウナストーブで蒸された体を特大プールと大阪の絶景で癒す、ここでしか味わえない「ととのう」という行為にお客様から定評があり、週末を中心に連日予約は完売で営業させていただいております。
事業化に向けて2つの関門がありました。
1つ目の関門―「こんなところに客は来るのか?」上層部への説得
社内プレゼンでは上司や役員から立地面や環境面について厳しい指摘がありました。生粋のサウナーとして、北は知床、聖地の長野や東海圏へのサウナ旅を通じて感じたのは、そこでしか叶わないサウナ体験を提供できれば必ずお客様は来てくれること。「ウエマチルーフ」は上町台地という立地を活かし梅田や難波、通天閣が見渡せるロケーションでありながら、大阪湾へと沈む夕焼けの絶景から「夕陽丘」の地名としての由縁を追体験できる、まさにここだけのオンリーワンなサウナ体験を提供できると考えました。またテントサウナは、キャンプ場や大自然といったアウトドア文脈で楽しまれる傾向があるため、体験には数時間の移動が必要となり、都会的な身近さにニーズを感じていました。最終的には「都会でテントサウナ」「薪ストーブ」「貸し切り」という勝ち筋を見出し社内決裁が下りました。
2つ目の関門―「広告会社」にサウナー達を誘客する
新たなサウナ関連の情報をどうサウナー達へ届けるか。広告会社としてはマス(媒体や交通)広告による情報拡散を狙いたいところですが採用しませんでした。サウナーの世界では、サウナ施設の情報がSNS上の口コミで広がる傾向が強く、またオーナーとの双方向のコミュニケーションが肝要であると感じていました。そこで当施設ではSNS戦略に舵を切り、サウナ好きサラリーマンが会社をサウナ空間へと全力でDIYする過程を発信し、開業前からファン醸成を狙いました。
開業後は「会社にサウナだ!」「本当にサウナ好き社員が運営されいてるんですね」とお客様の驚きの声も頂戴しつつ、週末はオフィスに水着客がいらっしゃる少々カオスな状況となっております。
ウエマチルーフは都会でのオンリーワンなサウナ体験と、サウナ好き現役サラリーマンによるホスピタリティに熱いご支持をいただきながら日々営業を続けています。今後はこのノウハウを活かし、鉄道系の代理店として地域を盛り上げるべく、サウナを通して関西・沿線地域を熱く“ととのえて”いきたいと思っています。